慢性腎臓病
2026年09月18日
慢性腎臓病について
〈このようなことはありませんか〉

- 健康診断で「尿たんぱく」「尿潜血」を指摘された
- 健康診断で腎機能障害を指摘された
- 血液検査でクレアチニン高値やeGFR低下を指摘された
- むくみ(特に足や顔)が気になる
- 夜間に何度もトイレに起きる
- だるさや疲れやすさが続く
- 食欲不振や吐き気がある
- 息切れしやすい
- 貧血を指摘された
- ご家族に腎臓病の方がいる

上記の項目に該当される方は慢性腎臓病の可能性があります。
慢性腎臓病は自覚症状を感じにくいため、早期発見が難しいこともありますが上記の項目に心あたりのある方はご相談ください。
【慢性腎臓病(CKD)とは】
病院や健康診断などで尿や血液、腎臓に異常を認め、その異常が3カ月以上継続することで診断されます。日本人の5人に一人は慢性腎臓病(CKD)と言われています。
腎臓は「沈黙の臓器」と言われ、初期は自覚症状が乏しく、症状を自覚したときには既に病状が進行しているというケースも少なくありません。慢性腎臓病が悪化すると余分な水や尿毒素が体にたまることにより、むくみやだるさなどの症状が出現します。末期になると呼吸困難感や、最悪の場合には心停止を起こしうるため、生命維持のために透析や腎移植が必要になります。
また、慢性腎臓病の悪化で、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患を発症するリスクが上昇することがわかっています。
【慢性腎臓病の主な種類】
- 糖尿病性腎症:糖尿病によって腎臓の細い血管が障害される病気です。慢性腎臓病の最も多い原因です。
- 腎硬化症:高血圧や動脈硬化によって腎臓の血管が傷み、腎機能が低下する病気です。
- 慢性糸球体腎炎:糸球体に慢性的な炎症が起こり、尿たんぱくや血尿、腎機能低下をきたします。
- 多発性嚢胞腎:遺伝が関係する病気で、腎臓に多数の嚢胞ができ、徐々に腎機能が低下します。
- 慢性間質性腎炎:薬剤や自己免疫疾患などにより腎臓の間質が障害される病気です。
- 尿路閉塞による腎障害:前立腺肥大症や尿路結石などで尿の流れが悪くなり、腎機能が低下することがあります。
【原因】
- 糖尿病:高血糖が続くことで腎臓の細い血管が傷つきます。
- 高血圧:高い血圧が腎臓に負担をかけ、腎機能の低下につながります。
- 慢性糸球体腎炎:腎臓の糸球体に炎症が起こる病気です。
- 腎硬化症:動脈硬化や長期間の高血圧により腎臓の血管が障害されます。
- 多発性嚢胞腎:遺伝的な要因で腎臓に多数の嚢胞ができる病気です。
- 自己免疫疾患:全身性エリテマトーデス(SLE)などが腎臓に影響を及ぼすことがあります。
- 薬剤による腎障害:一部の鎮痛薬や抗菌薬などの長期使用が原因となることがあります。
- 尿路の病気:前立腺肥大症や尿路結石などによる尿路閉塞が腎機能低下につながることがあります。
慢性腎臓病の主なリスク因子として高血圧や糖尿病、肥満、喫煙、睡眠不足や過労などの身体的ストレス、加齢などが知られています。高血圧が放置されていると腎臓の機能がどんどん低下してしまいます。
糖尿病や脂質異常症を合併している場合にはさらに注意が必要であり、生活習慣の改善や薬物治療などが重要となります。規則正しい生活習慣を心がけましょう。
【合併症】
- 高血圧:腎機能の低下により血圧が上がりやすくなります。
- 心血管疾患:心筋梗塞や脳梗塞、心不全などのリスクが高まります。
- 貧血:腎臓で作られる造血ホルモンが減少し、疲れやすさや息切れの原因になります。
- 電解質異常:高カリウム血症や代謝性アシドーシスを起こすことがあります。
- 骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD):カルシウムやリンのバランスが崩れ、骨が弱くなったり、血管の石灰化が進んだりします。
- むくみ:塩分や水分が体内にたまり、手足や顔がむくみやすくなります。
- 末期腎不全:腎機能が著しく低下すると、透析療法や腎移植が必要になることがあります。
【検査】
檜垣医院では以下の検査を行なっています。
- 尿検査
(尿たんぱく検査 ・尿潜血検査 ・尿アルブミン検査 ・尿沈渣検査)
- 血液検査
(クレアチニン(Cr) ・eGFR(推算糸球体濾過量) ・尿素窒素(BUN)・尿酸・電解質〈ナトリウム、カリウムなど〉 ・ヘモグロビン
- 画像検査 腹部超音波検査(エコー)
- 血圧測定(診察室血圧 ・家庭血圧)
※高血圧は慢性腎臓病の原因であり、進行因子でもあります。
【治療】
慢性腎臓病の原因(原疾患)に対する治療が重要です。生活習慣の改善や食事療法を並行して行い、腎機能の低下速度を緩やかにすることを目指します。
糖尿病や高血圧が原因の場合は、それぞれに対する治療薬を用いて適切に管理します。また、腎炎など一部の慢性腎臓病にはステロイド薬や免疫抑制薬による治療が必要となることもあります。
さらに、危険因子や合併症に対する治療も行い、患者さんの状態に応じた治療を進めます。
治療を行っていても、末期腎不全に至った場合には、生命維持のために腎代替療法(血液透析、腹膜透析、腎移植)が必要となります。

早期発見・早期治療により、腎機能低下の進行を抑えられる可能性があります。
健康診断で尿異常や腎機能低下を指摘された方、糖尿病や高血圧をお持ちの方は、早めの検査・定期的な管理をおすすめします。