脂質異常症
2026年09月18日
脂質異常症について
〈このようなことはありませんか〉

- LDL(悪玉)コレステロールが高い
- HDL(善玉)コレステロールが低い
- 中性脂肪(トリグリセライド)が高い
- 肥満やメタボリックシンドロームが気になる
- ご家族に心筋梗塞や脳梗塞になった方がいる
- 喫煙習慣がある
- 運動不足や食生活の乱れが気になる
- 薬を飲んでいるが数値が改善しない
- 特に自覚症状はないが、動脈硬化が心配

上記の項目に該当される方は脂質異常症の可能性があります。
脂質異常症は自覚症状を感じにくいため、早期発見が難しいこともありますが上記の項目に心あたりのある方はご相談ください。
【脂質異常症とは】
脂質異常症とは、血液中のLDLコレステロール(悪玉)や中性脂肪が高い、またはHDLコレステロール(善玉)が低い状態を指します。
「高脂血症」は現在「脂質異常症」に病名が変更されました。脂質の異常はコレステロールや中性脂肪が高い場合だけでなく、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が低い場合にも起こるため、「脂質異常症」に変更されました。
脂質異常症の最大の特徴は、ほとんど自覚症状がほとんどないため、「サイレントキラー(静かな殺し屋)」とも呼ばれています。
痛みや不快感がないため、健康診断で指摘されても「体調は悪くないから大丈夫」と考えてしまいがちです。しかし、自覚症状がないまま血管の中では着実に「動脈硬化」が進行し、ある日突然、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気として現れます。そのため、自覚症状の有無に関わらず治療が必要です。
【脂質異常症の主な種類】
高LDLコレステロール血症
LDL(悪玉)コレステロールが高いタイプです。
高トリグリセライド血症
中性脂肪(トリグリセライド)が高いタイプです。
低HDLコレステロール血症
HDL(善玉)コレステロールが低いタイプです。
これらが複数同時にみられる「混合型」の状態がみられることもあります。
〈LDLコレステロール(悪玉)の役割〉
- 肝臓で作られたコレステロールを全身の細胞に運ぶ
- 細胞膜、ホルモン、胆汁の材料となる
- 増えすぎると血管壁に蓄積し、動脈硬化の原因に
〈HDLコレステロール(善玉)の役割〉
- 血管壁や全身から余分なコレステロールを回収
- 肝臓に戻して処理する「お掃除屋さん」
- 動脈硬化を予防する働き
〈トリグリセライドの役割〉
- エネルギーを体内に蓄え、必要なときに利用する
- 体温維持や内臓を保護します
- 増えすぎると動脈硬化や脂肪肝、急性膵炎の原因に
【原因】
原発性脂質異常症
家族性コレステロール血症など体質や遺伝的要因が関与します。
続発性脂質異常症
生活習慣や食生活、肥満や飲酒など、糖尿病、甲状腺機能の異常、腎臓や肝臓の病気、薬の影響、他の病気が関与します。
過食、運動不足、肥満、喫煙、アルコールの飲み過ぎ、ストレスなどの生活習慣は、脂質異常症の発症に深く関係しています。特に、お腹の中に脂肪がたまる内臓脂肪型肥満の方はLDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪が増加し、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が低下しやすい傾向があります。
【合併症】
脂質異常症になると以下のような合併症を引き起こす可能性があります。
- 動脈硬化:血管内にコレステロールや脂肪が蓄積し、動脈壁が厚くなることで動脈硬化が進行します。これにより虚血性心疾患や脳卒中などのリスクが増加します。その他の生活習慣病である高血圧・糖尿病の既往があるとリスクが更に増加します。
- 冠動脈疾患:高コレステロール血症や高トリグリセリド血症によって冠動脈の狭窄を引き起こすことがあります。
- 脳血管疾患:血管内のコレステロールや脂肪により脳血管が閉塞し脳梗塞などの脳血管疾患のリスクが増加します。
- 脂肪肝:肝臓に脂肪が蓄積し脂肪肝を引き起こします。脂肪肝の状態が続くと、肝硬変に進行することもあります。
- 膵炎:トリグリセリドが異常高値の場合は、膵臓に炎症が生じることがあります。急性膵炎と呼ばれ、激しい腹痛や消化器症状を引き起こします。
※遺伝性の家族性高コレステロール血症は、一般的な脂質異常症と比べてLDLコレステロール値が著しく高く、動脈硬化が進行しやすいことが知られています。親や祖父母、兄弟姉妹など血縁者に脂質異常症や、55歳未満の男性または65歳未満の女性で心筋梗塞を発症した方がいる場合は、家族性高コレステロール血症の可能性があります。
まずは、健康診断などで、ご自身のLDLコレステロール値を確認してみましょう。
【脂質異常症の検査】
檜垣医院では以下の検査を行っています。
- 血液検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪など)
- 頸動脈超音波検査(首の動脈(頸動脈)の状態を超音波で観察し、動脈硬化の進行具合を調べる検査)
- 血圧脈波検査(脈の硬さ(動脈硬化)や血管の詰まり具合を調べる検査。「血管年齢」の目安としても活用されます)
- 腹部超音波検査(腹部エコー)
- 必要な場合は胸部CT検査(冠動脈CT検査)をご紹介します
- 必要な場合は頭部MRI・MRA検査をご紹介します
【治療】
〈生活習慣の改善〉
脂質異常症の治療では、まず生活習慣の改善が基本となります。食生活の改善、日常生活に有酸素運動や筋力トレーニングを取り入れ、禁煙、十分な睡眠、ストレス管理、体重管理を行い脂質代謝の改善を目指します。
〈薬物療法〉
生活習慣の改善だけでは十分な効果が得られない場合や、コレステロール値が著しく高い場合、動脈硬化のリスクが高い場合には薬物療法で治療にあたります。
脂質異常症の治療薬には様々な種類があります。患者さん一人ひとりの状態やリスクを総合的に評価し、適切なお薬の種類や投与量を決定します。

檜垣医院では、血液検査の結果だけでなく、年齢・血圧・糖尿病の有無・喫煙歴・家族歴などを総合的に評価し、動脈硬化のリスクを判断します。症状や治療の方針は患者さんによって異なることがありますのでお一人おひとりの病状に合わせた治療が必要です。
健康診断で異常を指摘された方、コレステロールや中性脂肪が気になる方は、お気軽にご相談ください。

